こんにちは、百萬です。
社内研修の休憩時に、若手社員に最近の流行りなどを聞いていると、実にイキイキとした表情になります。
研修時間中とは違って??・・・話がけっこううまく、頭がとっても柔らかい印象。
一方、中高年は・・・?? こちらは、休憩時に雑談していても、なんだか刺激が少なく、聞いていて ふ〜んとわかるものばかり。
中高年はいつの間にか、考えること、話すこと、関心のあることなどが・・・固定してしまっていませんか?
そんな中高年の頭を少しだけゆるくするために・・・絵本の世界はどうでしょう。
はあ? なに 今さら・・・といわずに。
今回のテーマは「とても・・・我慢できない」です。
目 次
- 佐野洋子さんの『おぼえていろよ おおきな木』(1992年)は、怒りにまかせて行動する前に・・・少し深呼吸をオススメしているのかも?!
- ヨシタケシンスケさんの『ころべばいいのに』(2019年)は、嫌な人たちに我慢できないときに・・・どう考えればいいかのヒントをくれるかも?!
- バージニア・リー・バートンさんの『いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう』(1961年)は、我慢できない気持ちが・・・多くの人に迷惑をかけてしまうかも?!
- まとめ
佐野洋子さんの『おぼえていろよ おおきな木』(1992年)は、怒りにまかせて行動する前に・・・少し深呼吸をオススメしているのかも?!
我慢できずに、目の前にあるものに怒りをぶつける・・・
一時的にはスッキリしても、けっこう大きなしっぺ返しがあるかもしれません??
見事な大きな木の陰に小さな家があり、1人のおじさんが住んでいました。おじさんにとってはこの木がとっても邪魔。
なぜかというと・・・朝ぐっすり眠っているのに、木にとまる小鳥のぴーちくぴーちくで毎日起こされます。木の下でお茶を飲んでいると、小鳥の糞がポトリ・・・
天気のいい日に洗濯ものを干したら、木の陰になってよく乾きません。
夏になって・・・おじさんは涼しい木陰で、ハンモックで昼寝をしていると、そこに毛虫が何匹も落ちてきました。
秋になると・・・大きな木に赤い実がなって、近所の子どもたちが取りに来ました。おじさんは大声で怒りました。
少し寒くなって、大きな木から葉っぱが落ちました。はいてもはいても、木の葉は後から後から落ちてきました。
雪が降って、おじさんが玄関の前を雪かきしていると、木の上から雪がどどっとおじさんの頭の上に落ちてきました。
・・・おじさんはついにキレて、大きな木を斧で切り倒してしまいました。ああ、スッキリ。
それから・・・おじさんは、木に咲く花が見えなくなったので、春の来たのがわからなくなりました。小鳥の声がしなくなったので、朝が来たこともわかりません。
木陰がないので、お茶を飲んでも落ち着きません。洗濯をしたものの、ロープをかける枝がありません。昼寝をしようとしても、ハンモックをつるす木がありません。
冬になって雪がどんどん降り積もると、大きな木がないと目印がなくて困るなぁと郵便屋さんがブツブツ・・・
雪が溶け始めると、おじさんはついにクックック・・・と、切り株の上に倒れて 大きな声で泣き始めました。おじさんは切り株を撫でて、いつまでも泣き続けました。
ところがしばらくすると、なんと 切り株から小さな青い芽が!
おじさんは毎日 朝早く起きると、すぐ新しい芽のところに行って水をやりました。新しい芽はぐんぐん伸びてきました・・・
失ってみて はじめてわかること・・・怒りにまかせてやったことへの後悔。
でも、新しい芽の誕生は、ステキな希望と反省という教えをくれたようです・・・
ヨシタケシンスケさんの『ころべばいいのに』(2019年)は、嫌な人たちに我慢できないときに・・・どう考えればいいかのヒントをくれるかも?!
嫌なことをされると、人はとっても不愉快なもの。でも、当の本人が嫌なことをしている自覚がまったくない場合、どう対処したらいいのでしょうか?
女の子である私は思う。人はどうして嫌なことを言うのだろう?
そんな人は、そんなヒトは・・・みんな一緒につまずいて転べばいいのに!
嫌いな人のせいで全然楽しくないことが多い。嫌だったことをどんどん思い出しちゃうから・・・
そのせいで、自分のこともどんどん嫌いになってしまう。だから、嫌いな人をいつも頭の中でやっつけている。
嫌なことがあると、いろんなことをやってみる・・・たとえば
・箱をかぶって、中ですごい変な顔をする
・靴下を丸める
・冷蔵庫のドレッシングを振る
・スプーンをきれいに並べる
・枕のために歌を歌う
・そのまま寝る
でも、だめな時は何をやってもダメ。嫌な気分って、突然の土砂降りみたいなものだから。
だから雨が上がるまで、ちゃんと避難できる場所が必要かも・・・そうだ、私しか知らない隠れ家をちゃんとつくろう。雨は必ずいつか止むものだから。
学校からの帰り道に・・・ふと気がついた。大人はみんな仲良くしてると思っていたけれど、大人にも嫌いな人がいるんだね。みんな大変だ。
ひょっとしたら、どうしても嫌いな人って、何かに操られているのでは? 関係ない人を操って、私を嫌な気持ちにさせているんじゃない?
きっとそうだ。だとしたら、あいつが許せない。
あいつを喜ばせるのが悔しいから・・・私は嫌なことがあっても、何とかなるんじゃないなんて言いながら、自分の好きなことを探してやるんだ。
あいつを嫌うパワーを使って、面白いことをたくさん考えよう。
きっとこの先、大人になっても嫌いな人はいるかもしれない。でもいたっていいよね。
ちゃんと考えたり、ちゃんと私の場所から逃げたり、ちゃんと向かい合ったり、どうするかは自分で決めればいいもんね。それが自分でできるようになろう・・・
他人に惑わされない自分・・・それができると、とってもいいこと。
けれども、なかなかそうばかりはいかないもの。そんなときは、楽しいことをいっぱい考える。それも1つの対処法かもしれません・・・
バージニア・リー・バートンさんの『いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう』(1961年)は、我慢できない気持ちが・・・多くの人に迷惑をかけてしまうかも?!
ミニ機関車が暴走!
もう我慢できない、今日は好きなように走るぞ・・・と勝手に走ったら、さてどんなことが起きるでしょうか?
小さな機関車。名前はチューチュー。機関車には小さな汽笛がついていて、踏切に来るとピッーと鳴ります。
また、機関車には鐘がついていて、駅に近づくとカンカン、カンカンとなります。また、ブレーキも付いていて、シュシュシュというすごい音を立てます。
機関車を動かすのは機関士のジム。チューチューをとってもかわいがって世話をしています。機関助士はオーリーで、機関車に石炭と水をやるのが仕事。
機関車の引っ張る客車には、車掌が乗っています。名前はアーチボールド。大きな時計を持っていて、機関車の出発時刻を知らせます。
機関車は畑を通り抜け、国道を横切ります。国道の踏切では遮断機が降り、機関車は途中の小さな駅にも止まります。
そこで、大きな町まで行く人たちや荷物や手紙を積み込むと、カンカンカンカンとまた出かけます。トンネルを抜け、丘を下り、跳ね橋を渡り、大きな大きな町の駅に着くのです。
ある日チューチューは・・・あの重い客車を引くのはもういやだなあ。自分1人ならもっともっと速く走れるのに。
そうしたら、きっとみんなが立ち止まってボクを眺め、なんて気の利いたしゃれた機関車なんだろうって言うだろうなあ・・・と妄想。
ある日、ジムたち3人が珈琲店で休んでいる時、チューチューはたった1人で突然走り出しました。シュシュシュ、カンカン、カンカン、カンカン、ピピピピピ・・・
さあ、みんな!・・・仕事をやめて、ボクを見て! ボクの声を聞いて! チューチューが勢いよく畑の間を走り出したので、牛や馬や鶏はとってもビックリ。
人も驚いて、何人かの人たちは高い塔に登る始末。車やトラックはあわててブレーキをかけ、みんなぶつかり合ってしまい、チューチューのことをとても怒ってしまいました。
チューチューは丘を降りて、どんどんスピードがつきます。止まろうと思っても、止まれません。
なんと、途中の跳ね橋が上がっています。チューチューがやっとの思いで飛び上がって、なんとか向こうの端に飛びつきました。けれども、炭水車が外れて落ちてしまいました。
チューチューは大きな駅の操車場に飛び込みました。けれども、どっちに行ったらいいか分かりません。チューチューはそこから逃げ出して、街を抜け、原っぱを通ってひたすら走って・・・
辺りは暗くなってきて、道もわからず・・・炭水車を途中でなくしたので、石炭も水もあとわずか。
もう、どうしたらいいんだ・・・速く走れると思ったら、こんな目にあっちゃったあ!
さて、喫茶店から飛び出した3人はとっても驚いて・・・あわてて最新式の機関車に乗り込んで、チューチューのあとを追いかけます。
チューチューの行った道はすぐにわかりました。なぜなら、ビックリした牛や鶏たちがみんなで機関車の行った方を指して教えてくれたので・・・
跳ね橋の下がるのを待っていた時、石炭船の上にチューチューの炭水車が落ちているのをジムが発見。2人はここで降りて炭水車の方へ、ジムは機関車の方へ・・・
ジムが大きなヘッドライトをつけて、古い線路の上を進んでいくと、まもなくチューチューを見つけました。
ジムは最新式の機関車を使って古い線路の上をバックし、大きな町を通り抜け、操車場まで戻ってきました。
そこには2人が心配して待っていました・・・
家へ帰る途中、チューチューはジムに もう逃げ出したりしません。これからはたくさんの客車や、荷物を積んだ車をひいて小さな町から大きな町まで行ったり来たりします・・・ごめんなさい。
もっと速く走りたい・・・我慢できない気持ちが暴走となり、多くの人に迷惑をかけてしまったチューチュー。とっても反省したみたい。
誰でも、ときに我慢できないことがあるもの・・・それは仕方がないこと。
でも、誰かのアドバイスがタイムリーにないと、ちょっと困りものかも・・
まとめ
若者の話している内容がよくわからない、知りたいとも思わない・・・こんな中高年が増えていないでしょうか?
若者にムリに話を合わせる必要はありませんが、若者が何をどのように思っているのか・・・実際に聞いてみると、なるほどと思えることが けっこうあるもの。
よく考えているなあとか、中高年にも参考になることも ときどき教えてもらえて、助かったりします・・・
絵本の世界はもう卒業したよ・・・これがほとんどの中高年の思いでしょう。
ところが、1ページめくってみると、意外にハマる人がいるかも・・・
・佐野洋子さんの『おぼえていろよ おおきな木』(1992年)は、怒りにまかせて行動する前に・・・少しの深呼吸をオススメしてくれているのかも?!
・ヨシタケシンスケさんの『ころべばいいのに』(2019年)は、嫌な人たちに我慢できないときに・・・どう考えればいいかのヒントをくれるかも?!
・バージニア・リー・バートンさんの『いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう』(1961年)は、我慢できない気持ちが・・・多くの人に迷惑をかけてしまうかも?!
ご覧いただき、ありがとうございました。
なお、「中高年の激しい思いこみを20% ゆるくするステキな絵本・・・今週の3選!」シリーズの直近のものは、次のとおりです。
よかったら、ご覧ください。
<その27>・・・「子どもの大切なもの」編
hyakuman-amane.hatenadiary.com
<その26>・・・「お母さんの愛情はとっても深い!」編
hyakuman-amane.hatenadiary.com
<その25>・・・「 思いやりって・・・あったかいなあ!」編
hyakuman-amane.hatenadiary.com