こんにちは、百萬です。
お父さんお母さんって、けっこう頭がかたいよね・・・ある日、子どもにそんなことを言われたことはありませんか?
子どが小さいころは、親が何をいっても、それなりに素直にしたがってくれたもの。
けれども、子どもなりにいろいろな経験をして知恵がつくと、親に対して注文をつけ始めます。これは、子どもが成長したということですから、親としてはとってもうれしいもの。
とはいえ、親からすると、頭がかたいんじゃない・・・と子どもから言われると少々ドキッとします。
もしもそうなったら、ちょっと対策を考える時期かも・・・
頭を柔らかくする方法・・・いろいろあると思いますが、「感じる世界」に没入できる絵本もいい方法。
今回のテーマは、「子どもの大切なもの」です。よかったらご一緒にどうぞ。
目 次
- 岸田衿子さんの『かばくん』(1962年)は、子どもたちに人気者のカバと子どもたちが・・・お互いにどう見ているかがとってもよくわかるような?!
- ドン・フリーマンさんの『くまのコールテンくん』(2006年)は、子どもと人形の気持ちが通いあう・・・とってもステキな関係がよくわかるかも?!
- ルース・エインズワースさんの『こすずめのぼうけん』(1976年)は、お母さんすずめの愛情を感じる小すずめに・・・ウルっとくるかも?!
- まとめ
岸田衿子さんの『かばくん』(1962年)は、子どもたちに人気者のカバと子どもたちが・・・お互いにどう見ているかがとってもよくわかるような?!
子どもは動物園が大好き。
小さな子どもを休日に動物園に連れて行ってあげるお父さん・お母さんは・・・子どものそんな気持ちをしっかりと受け止めてあげているでしょうか?
動物園に朝が来ました・・・
1番の早起きはどの動物かな?
1番ねぼすけさんは誰かな?
カバく〜ん、起きてよぉ。
動物園はすでに11時だよ。
眠いのかなあ・・・つまんないから、起きてよぉ〜。
いやあ、カメくん・・・と、カバくんがやっと朝のあいさつ。
いやあ、カバくん、おはようさん。
カメくん、今日は何曜日?
今日は日曜日だよ・・・
そうか、どうりで なんだかうるさいと思ったよ。
子どもたちはみな靴下を履いてるねえ。スカートはいてる女の子もいる。半ズボンの男の子もいるよ。
子どもたちは、カバとカメの近くに集まります。ゾロ、ゾロ、ゾロ、ゾロ。ワイ、ワイ、ワイ、ワイ。とってもにぎやか・・・
あ〜!カバだ、カバだ、カバだ。ちびのカバもいる!あっちは、カメの子だ!
子どもたちは、カバくんにエサをあげます。
カバくん、青いキャベツに、とうもろこしだよ。嫌いなら嫌いと言ってね。好きなら早く食べてね。
子どもたちの顔が輝いています。あ、食べちゃった。もうお腹いっぱいなんだな。うんお腹いっぱいなんだ・・・
子どもたちはピッカピカの顔で言います。
さよなら、さよなら。また来るからねえ・・・
動物園と子どもたち・・・子どもたちは動物を見ていると、楽しいうちに、1日があっという間でしょう。
いまの中高年も小さいころは、動物園が宝物だったはず。
そして今では、小さな子どもといっしょに動物園に行けることが中高年の宝物かも・・・
ドン・フリーマンさんの『くまのコールテンくん』(2006年)は、子どもと人形の気持ちが通いあう・・・とってもステキな関係がよくわかるかも?!
子どもは人形が大好き・・・
どうしてもこの人形がほしいと思うと、どのように行動するのでしょうか?
クマのコールテンくんは、大きなデパートのおもちゃ売り場にいます。
おもちゃ売り場では、人形はみんな早く誰かが自分を家に連れて行ってくれないかなぁと思っています。もちろんコールテンくんも・・・
お店はいつもお客様でいっぱい。
あるとき、女の子がコールテンくんの前で立ち止まって、じっとのぞき込んでいます。
「ママ、わたし前からこんなクマが欲しかったの」
「これは新品じゃないみたい。吊り紐のボタンが1つ取れているわ」
コールテンくんは2人が行ってしまうのを悲しそうに見送りました。ボタンが取れているのを知らなかったなあ。今夜、探しに行こう。コールデンくんは思いました。
お客様がみんな帰って、お店のドアが閉まると・・・
コールテンくんはなくしたボタンが落ちていないか、床の上をあちこち調べ始めました。
すると、急に足元の床が動き出しました。コールテンくんは、知らずにエスカレーターの上に足を乗せてしまったのです。
コールテンくんはドンドン上りながら、これは山かな? ボク前から、山に登りたかったんだ。
上の階につくと、そこにはテーブルやイス、電気スタンドやソファー、ベッドなどがずらっと並んでいるではありませんか。
「あ〜これ、きっと王様の御殿だ。」とコールテンくんはとってもうれしくなり、たくさんの家具の間をぐるぐる歩きまわりました。そして、大きなベッドの厚いマットレスの上によじ登りました。
すると、そこに小さなものが落ちていました。「なんだ、ボクのボタンがこんなところにあった」とコールテンくんはボタンをつまみ上げようとしました。
ところが、ボタンはマットレスにしっかりくっついて離れません。
コールテンくんは両手でボタンをつかんで、力いっぱい引っ張りました。それは、マットレスを止めるボタンでした。
やがて、ボタンはポンと飛んで行き、コールテンくんは思わずひっくり返りました。そのとき、コールテンくんは電気スタンドにぶつかって、音を立てて床に倒れました。
ガチャンという音を聞くと、警備員のおじさんがすぐエスカレータを駆け降りてきて、家具売り場にやってきました。
「誰かその辺に隠れとるな・・・」おじさんは懐中電灯で、ソファーやベッドの上や下を照らしてみました。
「こいつは驚いた。どうしてお前がこんなところにいるんだ。」警備員のおじさんは、コールテンくんを抱えてエスカレーターを降り、おもちゃ売り場の棚に置きました。
次の朝、最初のお客さんがやってきました。それは昨日来たあの女の子でした。
女の子はコールテンくんを見てにっこり笑いました。「私リサっていうの。あなたを連れに来たのよ。私の貯金で買えるの。お母さんもいいって。」
階段をいくつも上ったところが、リサの住んでいるアパート。コールテンくんは目をぱちくりしました。
そこには、女の子用のベッドが1つと、その脇にコールテンくんにぴったりのベッドがありました。
デパートの広い御殿とは大違い。けれども、これがきっと家ってもんだなとコールテンくんは思いました。「ボクずっと前から、こんな家で暮らしたいなぁって思っていたんだ」
リサは椅子に座って、コールテンくんのとれたボタンをつけてくれました。
「ボク、ずっと前から友達が欲しいなって思っていたんだ。」
「私もよ」リサはそう言って、コールテンくんをギュッと抱きしめました。
子どもと人形・・・
とっても相性がよさそう。お互いを見つめて、いつもニッコリの関係でしょう。
子どもは人形によく話しかけるもの・・・きっと、ちゃんと会話ができているのでしょう。
子どもにとって、人形はステキな宝物。
ルース・エインズワースさんの『こすずめのぼうけん』(1976年)は、お母さんすずめの愛情を感じる小すずめに・・・ウルっとくるかも?!
子どもがお母さんにスゴく愛情を感じるとき・・・それは、どんなときでしょうか?
子すずめが、お母さんすずめと一緒に住んでいました。
やがて柔らかい茶色の羽が生え、翼をバタバタさせることができるようになると・・・お母さんスズメが子すずめに飛び方を教え始めました。
巣のふちに立ちなさい。頭を後ろに反らせて、羽をバタバタとやって、さっと飛び出すんです。お母さんすずめが教えます。
子すずめは、恐るおそる言われたとおりにエイヤと・・・すると驚いたことに、小すずめはちゃんと空中に浮かんでいました。
これなら、あの高い石垣のてっぺんより、もっと遠くへ飛んでいけるぞ・・・子すずめは小躍り。
きっと1人で世界中を見てこられるぞ・・・子すずめは羽をいよいよ早くバタバタ動かしました。
はじめのうち、子すずめは飛ぶのがとても面白いと思いました。ところがそのうち、少しずつ羽が痛くなってきて、やがて頭も痛くなってきました。
これでは、どこかで休まなくてはなりません。ある木のてっぺんに鳥の巣が1つあるのが見えて・・・
「あのすみませんが、中へ入って休ませてもらっていいでしょうか?」子すずめは聞きました。
大きな黒いカラスが言いました。「おまえは、かあ、かあ、かあって鳴けるかね?」
「ボクはチュンチュンチュンとしか言えないんです。」
「じゃあ、入れることができないなぁ。お前、俺の仲間じゃないから。」
小すずめはしかたなく、少し先まで飛んでいきました。すると、木のずっと高いところにまた鳥の巣がありました。
「中に入って休ませていただいていいでしょうか?」
山鳩は「くぅ、くぅ、くぅって言えますか?」
「いいえボク、チュンチュンチュンとしか言えないんです。」
「じゃあ、ダメだね。お前さんは私の仲間じゃないからね。」
続いて、フクロウからも、カモからも・・・鳴き声が違うからダメだと言われて、もう限界でフラフラに。
やがてあたりは暗くなり始め、小すずめはもう飛ぶことが出来ません。そこで、ぴょんぴょん、ぴょんぴょんと地面の上を歩いて行きました。
すると、向こうの方からも 地面をぴょんぴょんやってくる鳥の姿が見えました。
「ボクはあなたの仲間でしょうか?」くたびれた子すずめは言いました。
「ボク、チュン、チュン、チュンとしか言えないんです・・・」
「私は、お前のお母さんじゃないの。今日は1日、お前を探していたんですよ。私の背中に乗って家まで送っていってあげるから。」
お母さんすずめは 子すずめを乗せて、巣の中のまで飛んで帰りました。それから、子すずめはお母さんの温かい翼の下で、それはもうグッスリと眠りました。
子どもとお母さん・・・子どもが困ったときに、愛情を降り注いでくれるのはやっぱりお母さんが一番でしょう。
子どもの本当に大切なものがわかるのですから・・・
小すずめとお父さんすずめの続編があるといいなあ、そう思うのは父親のひがみでしょうか・・・??
まとめ
あることについて、中高年がさまざまに考えてみたけれど、考えがなかなかまとまらない。
そんなときに子どもの一言で、あ〜そうかぁ、そんな考えもあるかも・・・と思ったことはないでしょうか?
中高年はいろんな経験があるため、自分の頭でさまざまな問題にそれなりに対処できます。けれども、これが過ぎるとちょっと曲者かも・・・
ある問題に対して回答は1つしかない・・・みたいな思い込みが生じやすいもの。
そういう時に、頭のとっても柔らかい子どもから・・・こういう方法もあるよね、って言われるとけっこう驚くときがあります。
子どもたちが大好きな絵本の世界。
その世界に中高年がときどき入っていくと、子どもたちの頭と同じくらいに、自分の頭が柔らかくなるのを感じられるかもしれません・・・
・岸田衿子さんの『かばくん』(1962年)は、子どもたちに人気者のカバと子どもたちが・・・お互いにどう見ているかがとってもよくわかるような?!
・ドン・フリーマンさんの『くまのコールテンくん』(2006年)は、子どもと人形の気持ちが通いあう・・・とってもステキな関係がよくわかるかも?!
・ルース・エインズワースさんの『こすずめのぼうけん』(1976年)は、お母さんすずめの愛情を感じる小すずめに・・・ウルっとくるかも?!
ご覧いただき、ありがとうございました。
なお、「中高年の激しい思いこみを20% ゆるくするステキな絵本・・・今週の3選!」シリーズの直近のものは、次のとおりです。
よかったら、ご覧ください。
<その26>・・・「お母さんの愛情はとっても深い!」編
hyakuman-amane.hatenadiary.com
<その25>・・・「思いやりって・・・あったかいなあ!」編
hyakuman-amane.hatenadiary.com
<その24>・・・「ちょっと想定外かも?」編
hyakuman-amane.hatenadiary.com