hyakuman_amaneのブログ

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【 食料問題っていつから始まったの? 編 :中高年の関心ごと「食料問題」<その2> 】

ありがたい恵みの収穫
感謝していただきます・・・

 

こんにちは、百萬です。

 

食料問題・・・これは、現代だけに特有のものでしょうか?

 

食料問題は、今後とても切実になっていきそう・・・といわれてずいぶん経ちます。

 

若いころは好きなものをなんでも食べて、お腹いっぱいになってとても幸せでした。

中高年になってくると食べられる量が減ってきて、ちょっと残念な感じ。

 

中高年はしだいにいくつかの持病をかかえるようになるため、栄養バランスを考えるようになるもの。

中高年の食のあり方・・・

そして、その先にある食料問題は、今の時代に特有の問題かもしれないと思う人が多いかもしれません。

 

そのあたりはどうなのでしょうか。

今回は、食料問題がいつから始まったのかについて 考えてみたいと思います。

 

目 次

 

「1万年前までの狩猟採集生活の時代には飢餓がなかった」と言われていますが、これは本当でしょうか?!

 

みごとな色をした麦・・・
このような光景になる前は、
一面 野原だったのでしょうか?

 

今から1万年ほど前に、人間は狩猟採集生活から定着農耕生活に変わったとされています。

そして、狩猟採集生活の時代には、飢餓がなかったとされていますか、それは本当でしょうか?

 

W.A.ダンドー教授の著書『地球を襲う飢饉』(1985年)などにそのように書かれていて、それが現時点の主流の考え方になっています。

 

現代においても、狩猟採集民族が地球上に確かに存在しています。

研究者が彼らと一緒に長年過ごした記録によれば・・・狩猟採集民族には、必要以上の食料を蓄える発想がないとの見解、つまりその日暮らしです。

 

その日に食べるものを、その日に獲得して生きる。

それ以上蓄えるという発想がほとんどみられない・・・一般的な動物と同じ。

ある日に食料を得ることができなくても、数日のうちに得られることを経験から知っているのでしょう。

 

食料を朝早く得ることができれば、その日はそれ以上の食料を得る活動をしない・・・それが基本。

つまり、何もせずに過ごすパターンが多いようです。

 

狩猟採集生活が主流だった時期、集団はとても小さい規模。多くても数十人ほど。

集団で生活して、男女が一定の役割分担をして暮らしていたと思われます。

 

その土地で何年かの間、自然界から食物を得て生活しますが・・・

何らかの原因でその土地で食べるものが得られなくなると、集団で違う場所に移動します。

そしてまたその地で、自然から食料を得るというパターンを繰り返したとされています。

 

1日に食べる量を超える食料を蓄える発想がなければ、その日暮らしのままですから、人が急激に増加することは考えにくいでしょう。

 

少人数で暮らして、必要があれば違うところに全員で移動する。

そのため、1万年前くらいまで人口はそれほど増えない状況だったと思われます。

 

とすると、その時期には飢餓のような事態はあまりなかった・・・

急激な気候変動などがなければ、人間は他の動物と同じように それなりに生活できたと考えられています。

 

定着農耕生活の始まりが災いして??、人間の飢餓が始まった・・・これが定説になっていますが、はたして本当でしょうか?

 

アジアの定着農耕の代表的な食料は
なんといっても お米・・

 

先のW.A.ダンドー教授の著書『地球を襲う飢饉』などによれば、定着農耕生活の以前の時代にも、気候変動などによって食料不足は発生しました。

また、どの地域でも食料危機が発生したとしています。

 

けれども、人間が定着農耕という食料獲得方法を発明してから、状況は大きく変わりました。

狩猟採集生活からに定着農耕生活に移行したことで、食料の大量生産が可能になったのです。

 

人間の創意工夫はまだまだ続きます・・・

火を発明することで、自然界にあるものは基本的にすべて調理することができるようになりました。

また、火と煙を利用して、あるいは植物を加工して、食料を保存する方法を考案しました。

 

食料を保存するには、大きな瓶などは大いに役立ったことでしょう。

これらの工夫により、人間は食料を得にくい冬の時期をしのげる生活を送ることができるようになりました。

 

食料生産量の増加と調理・保存技術の向上・・・その結果、本格的な人口増加が始まりました。

しかし、これはその後、人間が定期的に食料問題で苦しむ仕組みをつくり出すことになりました。

 

食料生産量が年々増えるにしたがって、生活が豊かになると、人間は家族を増やします。

けれども、引き続き自然から大きな影響を受ける食料生産においては、たまたまある年に不作や凶作が発生すると、人口全体の食料がまかなえない事態になります。

 

これが、現代につながる食料問題の起源といえそうです・・・

 

18世紀後半の農業革命と産業革命によって起った人口急増・・・それをさらに上回る食料生産量の劇的な成功で人口爆発へまっしぐら?!

 

食料の生産性向上は250年前から
とにかくすごくなりました・・・

 

18世紀後半から始まったイギリスの産業革命・・・

これによって工業を中心に生産性が向上し、人々の生活が豊かになると 人口が急増しました。

 

これとほぼ同時期に、農業革命が起こりました。

これは、18世紀前半までの基礎研究の蓄積があったからです。これをもとに、工業分野でも農業分野でも一気に成果が出たことになります・・・

 

食料生産性をアップさせるために、農業を科学的に行う流れがこの時期に定着しました。

科学的農業の祖といわれるドイツ人のアルブレヒト・テーアさんは、著書『合理的農業の原理」で持続可能な農業を提唱しました。

 

農業を科学する・・・これは人類にとっての救世主かもしれません。

これがなかったら、その後の人口増加はけっこう変わったものになっていたかも・・・

そのため、人口の増加と、それを支える食料生産性の向上がうまく呼応できたといえます。

 

産業革命によって工業分野を中心に生産性が向上すると、人々の所得が増え生活がしだいに豊かになって・・・

その結果、人々は多くの子どもを持つことができるようになるので、人口が急増しました。

 

これは、イギリスについで産業革命を経験したドイツやフランスにおいても、同様でした。

また、時期はかなり後になりますが、日本も明治期に入り、19世紀末から産業革命を経験しました。

 

その結果、世界で人口が急増し始めました。

世界規模での人口増加はよく知られていますが、あらためてみるとスゴイことに・・・

 

https://note.com/aiba_agri/n/n26554aaf59e6

から引用させていただきました。

 

産業の発展と人口の増加、それを支える食糧生産性の向上がセットで、18世紀後半から現代に至るまで続いています。

そのため 人間はその知恵で、食料の生産性アップを実現し、人口増加を実現したといえます。

 

けれども、食料の生産量はいつの時代もどの地域でも、自然から大きな影響を受けます。

 

世界全体としての食糧生産量は、年々上昇する傾向にありますが・・・

自然災害や戦争などで、ある年に一時的に食料の不作・凶作が必ず生じてきました。

 

そのような場合には、食料の値段が急騰します。

そのため、食料を手に入れられない最貧層の人々は、生きるためにやむをえず暴動を起こすことになります。

 

それが食糧問題の拡大につながりました。

1万年くらい前に発明した定着農耕によって始まった飢餓の拡大・・・

 

まとめ

 

おいしい野菜をいつまで
たっぷり食べられるのでしょうか?

 

現代は、食料問題がさらに複雑になっています。

食料の生産と消費をつなぐ流通上のさまざまな問題が起こっているからです。

 

世界的規模でみると、経済力のある国が世界の食料を大量に購入していて・・・日本はその1つ。

その結果、経済的に弱い国の最貧層の人々が食料を満足に得られない状況があります。

これが、現代の食料問題の根底にあることの重要な1つ。

 

食料問題は今に始まったことではなく・・・

1万年前に狩猟採集生活に終止符を打って、定着農耕生活に切り替えた時点から発生したものでしょう。

 

食料問題は、いつも 食料の供給と需要の調整の失敗によるもの。

 

人間は食料のさまざまな問題を克服してきました・・・

けれども、食糧生産はやはり自然から大きな影響を受け続けます。

 

そのため、これまで大きな食糧問題が度々発生してきましたが、この問題は今後も続きます。

 

・「1万年前までの狩猟採集生活の時代には飢餓がなかった」と言われていますが、これは本当だと考えられます!

・定着農耕生活の始まりが災いして??、人間の飢餓が始まった・・・これが定説になっていますが、本当だと思われます!

・18世紀後半の農業革命と産業革命によって起った人口急増・・・それをさらに上回る食料生産量の劇的な成功で人口爆発へまっしぐら!

 

ブログをご覧いただき、ありがとうございました。

 

 

なお、「中高年の関心ごと?食料問題」シリーズの直近のものは、次のとおりです。

よかったら、ご覧ください。

 

<その1>・・・「食糧問題って何?」編

hyakuman-amane.hatenadiary.com