こんにちは、百萬です。
中高年は、残念ながら体力や気力、知力などが50代半ばあたりをピークに次第に低下するもの・・・
50代からの中高年にピッタリくる目標管理は、どのようなものでしょうか?
もちろん個人差があり、経験に基づく判断能力などは人によって高まるケースもありますが・・・定型的な業務能力はしだいに低下していくもの。
そのため、中高年にふさわしい目標内容やレベルを決めて取り組むのが望ましいのは、誰でもわかることでしょう。
・・・けれども、そんなことは目標管理のどの教科書にも書いてないこと。
中高年がこれからの人生の中で、何をめざして、どのような目標を立てるのが望ましいのでしょうか?
そのあたりを会社の中高年と話し合いながら、考えてみました。
目 次
- 中高年の目標内容は、①長年やってきた業務をQCD(品質・費用・納期またはスピード)の観点から改善してみる、②これまでやろうと思っていたけどやら(れ)なかった重要な業務をやってみる・・・のがいいみたい!
- 目標にしたい項目が複数思いつく場合は、中高年はすべてやろうと思わないことがとても大切・・・優先順位づけを行い、絞りに絞り込むのがベターです!
- 中高年の目標レベルは、低下する体力・知力・気力と相談して、今の実力から10%くらい伸ばせば手が届く範囲がベター・・・実際にやってみてクリアできたら、もう5%アップもあり!
- まとめ
中高年の目標内容は、①長年やってきた業務をQCD(品質・費用・納期またはスピード)の観点から改善してみる、②これまでやろうと思っていたけどやら(れ)なかった重要な業務をやってみる・・・のがいいみたい!
実際に中高年が取り組む目標内容としては・・・
①これまでに経験した定型的な業務について、そのQCDを考えるのが適切でしょう。
これまで長年にわたって、中高年が担当してきた定型的な業務・・・
これらについて、QCDを高めるにはどうすればいいかを考えてみます。
QCDとは・・・
Qはクオリティ、品質やできばえのこと。
Cはコスト、必要な費用のこと。
Dはデリバリー、納期やスピードのこと。
長年その仕事をメインにやってきたけれど・・・そのやり方を、改めて次のように考えてみるのがベターでしょう。
Q : もっと品質を高めるには、どうすればいいだろうか?
C : もっと安い費用で結果を出すには、どうすればいいだろうか?
D : もっと納期ピッタリ、またはスピードを上げるためには、どうすればいいだろうか?
そのような観点から考えてみて、目標を立てるのがとてもやりやすいのではないでしょうか。
②もう一つは、「重要業務」への積極的なチャレンジです。
個人の担当業務での重要業務には、いろいろな考え方があると思います。
けれども、最終的には会社目標にそって成果を出していくために、必須となる業務が必ずあるものです。
あまり難しく考えずに・・・
・「日ごろからやるべきだと思っている業務」で、かつ
・忙しさにかまけて、「ずっと手をつけることができずにいた業務」がこれに該当します。
もしそれができていたら、部署の業務全体がもっと効率化できるはず・・・とか。
もしあれが整備されていたら、関連する業務がもっと早くスムーズに進むはず・・・など。
部署または担当する業務全体を効率化するため・・・その前提条件に該当するような目標を達成すれば、かなりチャレンジ性が高いといえます。
これは今やったからといって、すぐに結果が伴うものではないことが多いもの。
また、やらなくても、しばらくの間は大きな問題が発生しないもの。
けれども、それをやっておかないと、数年後には大きな問題になり得るような業務。
それは経営の分野では、重要業務と呼ばれています。
これについては、ある程度長期間を要するので、それに耐えられるように計画的に進めていく必要があります。
そのため、しっかりとしたPDCAサイクルを前提とした、中高年にはけっこう手ごたえのある目標になります。
目標にしたい項目が複数思いつく場合は、中高年はすべてやろうと思わないことがとても大切・・・優先順位づけを行い、絞りに絞り込むのがベターです!
目標とする項目を複数思いつく場合は、優先順位づけがより重要となります。
特に中高年は思ったことを、スピード感を持って行うことが難しくなるもの。
会社の経営目標と部門方針にそって自分の目標を考えるとして・・・
①まずは実現したいこと、あるいは実現すべきことを、思いつくままにすべてを箇条書きにしてみます。
それらの項目1つひとつについて、会社の経営目標と部門方針との関連度合いをよく検討して・・・優先順位づけしましょう。
会社の経営目標にそって、自分が所属する部門や所属の方針と目標があります。
それらを進める上で、自分の担当領域の中で、何が最も関連があって、何が一番重要なのか。
何をどのように取り組めば、会社や部門の目標に最も貢献できるのか・・・その度合いをじっくり考えます。
その際に、なかなか考えがまとまらない中高年の社員がいます。
そういうときは・・・
②優先順位づけの基準を、会社の「入 ー 出」(会社の採算)への貢献度合いで考えればいいでしょう。
もし自分が個人事業主なら、採算を優先するはず。
自分が個人事業主であれば、すべての業務を自分1人で行う必要があります。
そのため、採算に合わないことは考えないはず。
個人事業主は、利益を大きくすることが最も大きな目標になるからです。
③目標の設定においては、質と量のバランスがとても重要です。
どうかすると、目標を達成すること自体が最終的な目的になってしまうことがあります。
すると 量さえ達成すれば、成果の質が伴わなくても達成したものと考えてしまいがち。
冷静に考えると、それは本末転倒。
そうならないためには・・・
会社および部門の目標に最も貢献するには、自分の担当領域の中で・・・
何をどの程度までやれば(質と量のバランス)、最も貢献したことになるのかをよく検討することが必要でしょう。
中高年の目標レベルは、低下する体力・知力・気力と相談して、今の実力から10%くらい伸ばせば手が届く範囲がベター・・・実際にやってみてクリアできたら、もう5%アップもあり!
中高年の時間は、ますます有限に感じられていくものです。
そして、体力・気力・知力は明らかにピークを過ぎていきます。
個人差はあるものの・・・中高年全体としてみると、やはり50代半ばあたりをピークに低下するもの。
中高年が自分の目標内容・レベルをどの程度にするかを考える際に、この事実は大前提になるでしょう。
この前提をあまり深く考えずに、あまりにビッグな目標を立てると、目標を設定すること自体が無意味になる可能性があります。
①中高年は、「何でもかんでもガンバル目標」はムリと悟るのがベターです。
40代半ばあたりまでは、体力面でも気力面でもけっこう無理がきくもの。
そのため、根性でいろんなことをやろうとして、ある程度は可能になるもの。
しかし50代からの中高年は、そのようなやり方は長続きしません。
これまでの経験をもとに、チャレンジ性の高い目標を立てるのはいいこと。
けれども、背伸びをしすぎたり、なんでもハイレベルでやりたいと思うのはけっこう危険。
途中で挫折する要因をつくってしまうことにもなりかねません。
そのため、中高年は現在の体力・気力・知力などを冷静に見極めて、実力の10%増しくらいの目標内容・レベルにするのがベターでしょう。
中高年に限らず、目標を立てる際に重要なことは、もう少し手を伸ばせば届くかもしれないと思えるレベルに近づけること。
この点が欠けていると、いくら本人ががんばっていても、今の自分の実力を高めることは難しいもの。
②会社のスゴイ先輩社員や、ビジネス書を読んでスゴイ事例を参考にすると、目標設定レベルを考えやすいもの。
中高年が目標を立てる際に、それまでの自分の経験業務をもとに、さまざまな点から考えることはとてもいいことです。
けれども、それがこれまでの経験の単なる延長線上にあるだけだと、自分の考える範囲を超えられないもの。
そのため、まわりにいるスゴイ人を参考にして、刺激やヒントをもらうのはいい方法でしょう。
会社の先輩を見ていると、中にはすごい人が必ずいるものです。
もし、会社にそのような人がいなければ、自分の担当する分野に関するビジネス書を参考にすることです。
そのような本を読めば、世の中にはものすごい人がいることがわかります。
スゴイ発想をする人がいることを知れば、かなり刺激を受けることができるもの。
それらを参考にして、自分の担当してきた業務において、これまで考えたことがないような目標を考えてみる・・・これもけっこう刺激的でしょう。
ただし、今の自分の実力からみてあまりにも高いレベルは避け・・・
やはり10%プラスを基準にして考える方がいいでしょう。
まとめ
50代からの中高年・・・
体力、知力、気力どの面をとってもピークを過ぎて、あとは下降する時期になります。
個人差はあっても、中高年全体としてみれば、やはり低下していくもの・・・
これは仕方のないこと。
そのような事実を踏まえた上で、中高年は今後定年まで、また定年から80歳代までどのような目標を持っていくのがいいのでしょうか?
それがうまくいけば、それなりに満足できる会社生活を送り・・・
65歳の定年以降は会社以外の生活で、ある程度満足できる人生を送ることができるのではないでしょうか。
その意味で、50代から65歳の定年までの間に、自分のこれまでの人生を振り返って・・・よかった点と、そうでもなかった点を整理してみるのはとても大切でしょう。
それをもとに、新たなチャレンジをしていく。またそのプロセスに楽しみなども見つけていく・・・
中高年にはそのような姿勢が大事だと思います。
そのような内容とレベルで、自分の目標を設定して、PDCAとQCDというツールを使って、進めていくのがいいのではないでしょうか。
中高年仲間と話していると、実にいろいろな考え方のあることがわかって、とても興味深いもの。
そして、考え方はさまざまでも、やはり太い幹の部分では共通するものがけっこうあるものです・・・
・中高年の目標内容は、①長年やってきた業務をQCD(品質・費用・納期またはスピード)の観点からもっと改善してみる、②これまでやろうと思っていたけどやら(れ)なかった重要な業務をやってみる・・・のがいいみたい!
・目標にしたい項目が複数思いつく場合は、中高年はすべてやろうと思わないことがとても大切・・・優先順位づけを行い、絞りに絞り込むのがベターです!
・中高年の目標レベルは、低下する体力・知力・気力と相談して、今の実力から10%くらい伸ばせば手が届く範囲がベター・・・実際にやってみてクリアできたら、もう5%アップもあり!
ご覧いただき、ありがとうございました。
なお、「50代からの中高年の目標はナニ?」シリーズの直近のものは、次のとおりです。
よかったら、ご覧ください。
<その7>・・・「目標は何をどのくらい?」編
hyakuman-amane.hatenadiary.com
<その6>・・・「目標管理を人事評価に絡めるから起きる問題?」編
hyakuman-amane.hatenadiary.com
<その5>・・・「できばえをよくするQCDってなに?」編
hyakuman-amane.hatenadiary.com