こんばんは、百萬です。
海外ツアーでは、予期せぬことが起こります。
うれしいハプニングなら大歓迎ですが、そうでないハプニングはできれば遠慮したいもの。
私は30代半ばのとき、会社が主催する海外ツアーの団長として参加しました。
社員とその家族、お客さまなど さまざまな人々で混成された、80人のヨーロッパツアー。
私は添乗員2名とともに、会社業務で飛び立ちました。
いろいろな感じ方、考え方を持ついろいろな人々80人が1つの団体となって海外へ。
その結果・・・毎日のように 実にさまざまな事件?が発生しました。
今日はその第2弾。
ツアーの団長として海外に行く人は少ないと思います。
けれども、添乗員の方々の苦労の一端が 垣間見えるかもと思い、お知らせします。
目 次
- ドイツで : ポテト料理とチキン料理の選択問題で大騒動に!?
- フランスで : 若手添乗員Aさんが ツアー参加者と楽しく泥酔? 前後不覚に!
- ビアジョッキを手に持って、日本人80人がゾロゾロ階段を移動する珍しい?光景!
- まとめ
ドイツで : ポテト料理とチキン料理の選択問題で大騒動に!?
ドイツでの2日目。
天気はよく、フランクフルトでの昼食は好評のポテト料理。
みなお腹いっぱいになり、気分よくバスに乗り込み、次の観光地へ移動。
平日のせいか、道路はスイスイ走れます。
田園風景の広がる景色が、ドンドン後方に流れていきます。すごくいい感じ・・・
私は夕食のメニューがちょっと気になって、添乗員Aさんに確認しました。
夕食はドイツのハイデルベルク地方の有名なポテト料理です!
えっ、またポテト???・・・
舌のかなり肥えたツアー客。私はその瞬間、気持ちに迷いが。
おいしかったとはいえ、昼もたくさんのポテトをお腹に入れたばかり・・・
車窓から外の景色をしばらく眺めた後、添乗員Aさんに打診。
夕食のポテト料理を別のものに変更できないかねえ・・・
添乗員Aさんの目が一瞬大きく開きました。
ポテトの連続で かなり心配だと話すと、有名な料理とはいえ 確かにまずいかもということに。
急きょホテルに連絡を入れてもらいました。交渉の結果、チキンへの変更なら間に合うとの返事。
私は間髪入れずに了解・・・チキン料理に変更となりました。料金も同じ。
しばらくして、2台に分かれているバスそれぞれのツアー参加者に、添乗員から夕食の変更とその理由を伝えました。
拍手が起こるかと思いましたが・・・しかし、それからが大問題に!?
「昼のポテト料理があまりにもおいしかった」から、「夕食も超有名なポテト料理を絶対に食べたい」!
いつも先頭を切ってズンズン歩く年配の女性が、かなりの大声で言い放ちました。
えっ、まいったなあ・・・
ツアー参加者からは、ポテトがいい、ポテトはもういらない~のさまざま声が飛び交って・・・
私は、昔はやった「かしまし娘」(古すぎる?)の舞台を見ているような気持ちに。
でも 参加者全体でみると、ポテトの連続は嫌だろう・・・
そう思った私は、それぞれのバスの添乗員に、多数決を取るように指示しました。
結果は、小差ながらポテト料理に軍配が上がりました。
そのため、添乗員Aさんからホテルに再び電話を入れてもらい、時間ギリギリで変更前のポテト料理に戻してもらうことに。
勝手な思い込みはいけないものだと、深く反省したしだい。
胃の中のポテトが逆流する思いでした。
一方、チキン料理に賛成したツアー参加者をなだめるのに、それなりの時間がかかったことは言うまでもありません・・・
フランスで : 若手添乗員Aさんが ツアー参加者と楽しく泥酔? 前後不覚に!
ツアー参加者の中に、女性のツワモノたちが10名くらいいました。私からみると、人生の大先輩たちです。
けっこう毎回のように、事件を起こす可能性が高い人として、団長㊙︎リストに入っている人たち・・・
事件?はツアー最終日のフランスで起こりました。
みな きちんと正装。
船と両岸のきらびやかなイルミネーションと、ムードたっぷりの生演奏。
ツアー参加者はほろ酔いで、気分が最高潮に・・・
私は各テーブルを回りながら、ワインを注いだり、軽い会話をしたりして 最後の夜に精いっぱいのサービス。
私の額と首に汗がしたたり落ちています。
と・・・添乗員Aさんの真っ赤な顔に気づきました。
ほとんど飲めないAさんが、かなりふらついています。
すぐ横を見ると、㊙︎リストの女性たちがAさんをかわいがって?くれています。
私が入れ替わりで、かなりできあがっている女性たちのお相手をしましたが、時すでに遅し・・・
添乗員Aさんは、帰りのバスで すでにぐっすり熟睡。ホテルの部屋に何とか連れて行き、寝かせることに。
翌日、添乗員Aさんはさわやかな顔で、元気よく「おはようございます」と私にあいさつ。
彼は大物になるかも・・・そんなことを思いながら、私はツアー最終日のチェックを始めました。
ビアジョッキを手に持って、日本人80人がゾロゾロ階段を移動する珍しい?光景!
ドイツでおいしいビールを味わいながら、民族ショーをみんなで堪能!・・・のはずが、なんと他の団体とのダブルブッキングが判明。
私たちが到着した わずか5分ほど前から、他の国のツアー客が舞台前の一番いい席に陣取ってワイワイやっていました。
これはまずいと思い、民族ショーのマネジャーと20分にわたって交渉。
しかし、のらりくらりと時間だけが経過しました。また、汗が。
すでに夕方で、ツアー参加者の顔にかなりの疲れが出ている様子。
とにかく違うフロアでもいいので、全員を座らせないといけないと判断し、確保できた個室にまず誘導。
しばらくして、全員にジョッキビールとおつまみが揃いました。
金髪のかわいいドイツ女性が、個室でオルガンを弾き始めました。軽快な民族音楽のようです。
よし、いいぞぉ・・・
そうこうしているうちに、ツアー参加者の顔に赤みがさし、あちらこちらで弾んだ笑い声が出はじめました。
添乗員A・Bさんの2人と目が合い、とりあえず何とかなった、やれやれという雰囲気。
でも私は、大きな舞台の一番前で「ドイツのステキな民族ショーを楽しみながら、ビールで乾杯」を諦めていませんでした。
そうでないと、ツアー参加者にウソをついたことになります。
添乗員Aさんと一緒に、ショーのマネジャーに またしつこく何度も交渉しました。
そのかいあって、先のツアー団体がもうすぐ去るので、その次に必ず私たちをショーの特等席に入れるとの約束を取り付けました。
とはいえ、完全には信用できないので、その後、添乗員Aさんにそのエリアが他の団体に取られないように きっちり監視を指示。
しかし、問題はそこから・・・
ツアー参加者全員に聞こえるように大きな声で言いました。
「ドイツの民族ショーがこれから2階上の舞台で始まりま〜す。皆さん元気よく移動しましょう~!」
さて、反応は?
みんなの かなりできあがった赤い顔を見て・・・明らかに「もうめんどう!?」の雰囲気。
やっぱりね・・・そうだろうなあ・・・(自分でもそう思うもんなあ)
そう思いつつも、目の前に座っている会社の女性にとっさに目配せしました。私のよく知っている人です。
意を察してくれた彼女は、「ここに来たら、やっぱり民族ショーを見ないとねえ~」
大きな声で言ったあと、彼女はジョッキを持って さっと立ち上がってくれました。
最初はざわざわしていたのが、それにつられるように 全員がジョッキを持って立ち上がりました。かなりブツブツと。
階段を2階分 登って民族ショー会場へ・・・
そこには 添乗員Aさんが待ちかまえていて、ショー舞台の一番前にみなゾロゾロと座りました。
・・・いろいろあったものの、それから30分もすると 皆 最高の笑顔に。
民族ショーも迫力満点でした。まさに真ん前で、踊り子たちの汗が飛んでくるのではと思ったくらいの近距離。
しばらくして 何人かの男性参加者から、お酒臭い息をぶわ~と吹きかけられながら、「今日は最高!!ありがとう~、よかったよ~。最高! サイコー!!」と。
少し嬉しくなって、その後 私は添乗員A・Bさんとジョッキで小さく乾杯しました。
そして、一口グッと飲んだところで・・・ある女性参加者から「誰かがトイレで倒れています!」の連絡が・・・!?
もし この続きに関心があれば、次をご覧ください。
hyakuman-amane.hatenadiary.com
まとめ
会社主催の海外ツアーに、30代半ばで 初めて団長として参加しました。
会社の先輩や同僚からは、とても羨ましがられました。
ところが、実際は毎日のようにトラブルの連続、れんぞく、レンゾク・・・
現実は小説以上に?スリリングでした。
とはいえ、何とかそれなりにこなし?、1人のケガもなく成田に帰ってこれました。
私自身はヘロヘロになりましたが、それぞれの参加者からの「楽しかったよ、ありがとう」の言葉がほんとうに身に染みました。
私はこのツアーで、ツアー添乗員の方々の苦労が少しだけわかりました。
それからは、家族と海外に行ったときに、添乗員の方を援護する姿勢が身についてしまいました。
・ドイツで : ポテト料理とチキン料理の選択問題で大騒動!?
・フランスで : 若手添乗員Aさんが ツアー参加者と楽しく泥酔? 前後不覚に!
・ビアジョッキを手に持って 日本人80人がゾロゾロ階段を移動する珍しい?光景!
海外ツアーに参加する側と、お迎えする側。
いろいろな考え方を持った人々の団体とのおつき合いの仕方を、実地で学ばせていただいた貴重な体験となりました・・・
自分がお金を出して参加する海外ツアーですが・・・
添乗員の方を少しでも気遣ってあげられる人が 増えるといいなあと思った次第です。
ブログをご覧いただき、ありがとうございました。